福井大学 規程集(公開用)

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福井大学におけるセクシュアル・ハラスメントの防止・対策に関する指針
平成16年4月1日 学長裁定
平成17年5月18日 一部改正
平成18年6月26日 一部改正 
平成22年3月31日 一部改正 
1.指針制定の基本方針
福井大学は,日本国憲法並びに男女共同参画社会基本法及び男女雇用機会均等法の精神に則り,福井大学における教育,研究,医療に関わるすべての人の基本的人権を尊重し,セクシュアル・ハラスメントのない快適な環境のもとで,働き,学び,研究,教育する権利を保障することが何よりも重要と考えています。
大学におけるセクシュアル・ハラスメントは,研究,教育,勉学,課外活動,就労等の権利と自由を侵害し,修学意欲,教育意欲,研究意欲,就労意欲を損ない,大学の活力ある活動に重大な影響を及ぼします。
従って,福井大学は,セクシュアル・ハラスメントを禁止し,セクシュアル・ハラスメントに対して厳正な処分を見据えた厳しい態度で臨み,研修や啓発を通してセクシュアル・ハラスメントの防止及び排除に努め,快適な研究,教育,勉学,課外活動,就労等の環境を作る努力をします。
この目的のために,この指針を定めます。
2.この指針の対象
(1) この指針は,福井大学に働き,学ぶすべての構成員を対象とします。具体的には,教員,職員(いずれも常勤職員,非常勤職員等の別を問いません。),学生(学部学生,大学院生,留学生,研究生,科目等履修生,公開講座等の受講生など福井大学で教育を受ける関係にあるすべての者を含みます。以下「学生」という。),園児,児童及び生徒のすべてが対象となります。
ただし,園児,児童及び生徒については,この指針の精神に基づき,別途必要な対策を講じるものとします。
(2) この指針は,セクシュアル・ハラスメントが福井大学の構成員間において問題となる場合は,大学内・外,授業中・外,課外活動中・外,勤務時間内・外等にかかわりなく,適用されます。
(3) セクシュアル・ハラスメントが,福井大学の構成員と学外者との間において問題となった場合には,当事者間に福井大学の業務の遂行に関係があるときに限り,この指針を適用します。学外者から,福井大学の構成員によるセクシュアル・ハラスメントの苦情申し立て,相談があった場合は,大学として必要,適切な措置をとります。加害者が学外者の場合も,この指針の精神に従って,大学として必要,適切な措置をとるよう努力します。
なお,本項の適用については,福井大学との業務委託契約等に基づき福井大学の業務の遂行に携わる者は,福井大学の構成員に準じて扱います。
3.セクシュアル・ハラスメントとその禁止
(1) この指針で禁止されるセクシュアル・ハラスメントとは,教員,職員,学生等が,研究,教育,勉学,課外活動,就労等の関係において他の教員,職員,学生等を不快にさせる性的な言動を指します。これは,行為者本人の意図とは関係なく,相手方にとって不快な性的な言動と受け止められ,そのことによって相手方に不利益を与えたり,相手方の就労上または修学上の環境を損なうものを言います。(事例については別紙に示します。)
(2) セクシュアル・ハラスメントは,男性から女性に対してなされる場合が最も多いのですが,女性から男性へ,あるいは同性間でも問題になることがあります。
(3) セクシュアル・ハラスメントは,教員から学生へ,教員から職員へ,上司から部下へ,あるいは上級生から下級生へなされる場合が多いのですが,これら以外の場合も問題になることがあります。
4.大学の責任と構成員の責務
福井大学のすべての構成員は,セクシュアル・ハラスメントによって研究,教育,勉学,課外活動,就労等の権利と自由を侵害されることがあってはなりません。従って福井大学のすべての構成員はこの指針に従い,セクシュアル・ハラスメントを起こさないように努力し,注意しなければなりません。
福井大学は,福井大学人事委員会の下にセクシュアル・ハラスメントの防止・対策に責任を持つ「ハラスメント防止・対策専門委員会」(以下「防止・対策専門委員会」という。)を設け,研修や啓発を通してセクシュアル・ハラスメントの防止及び排除に努め,快適な研究,教育,勉学,課外活動,就労等の環境を作る努力をします。また,セクシュアル・ハラスメントの被害者の相談窓口として「相談員」を設けて被害者の相談を受けるとともに,その解決のために防止・対策専門委員会の下で組織的に取り組みます。(研修,啓発については別紙に示します。)
5.セクシュアル・ハラスメントを起こさないための基本認識
女性と男性はお互いに対等なパートナーであることを認識し,相手の人格を尊重し,相手の立場に立って考え,行動することが基本的なルールです。性の違いや性に関することを理由に,肉体的あるいは精神的に,支配,圧迫あるいは傷つけるようなことをしてはなりません。
6.もし,セクシュアル・ハラスメントにあったら
(1) セクシュアル・ハラスメントにあった時,誰でも「ノー」と言えるわけではありません。「ノー」と言わなかったからと言って,「不快な性的言動」を容認したことにはなりませんし,あなたが悪いわけではありませんので,自分を責めたり悩んだりしないで,対応の方法を考えて下さい。
(2) とはいえ,あなたが,相手方の性的言動を「不快だ」と受け止めたら,相手に対して,言葉と態度で「不快である」こと,「望んでいない」ことを伝えることが大事であることは言うまでもありません。たとえ相手が教授や上司や上級生でも,拒否するよう努力して下さい。あなた一人で対処できないときは,周囲の人に話して助けてもらうことも大事です。
(3) もし,セクシュアル・ハラスメントにあったら,そのときの状況について,できるだけ詳しく記録をとっておいて下さい。セクシュアル・ハラスメントは往々にして密室で行われることが多く,立証が困難です。そのため,「いつ,どこで,誰から,どのようなことをされたか」等について記録をとっておきましょう。
また,証人になってくれる人がいるときには,後日のためにその人に証人になってくれることの確認をとっておくことが必要です。
(4) もし,あなたの周囲にセクシュアル・ハラスメントにあっている人がいたら,勇気を出して助けてあげましょう。加害者に注意したり,被害者の証人になったり,相談にのってあげたり,相談員のところへ同行してあげたりしましょう。
(5) 教員及び職員については離職してからでも,学生等については学籍を失ってからでも,在職中もしくは在学中に受けたセクシュアル・ハラスメントの被害の救済を相談員に申し出ることができます。
7.すぐに相談しましょう
福井大学は,セクシュアル・ハラスメントに関する苦情の受付や相談に応じるために「相談員」を設けます。セクシュアル・ハラスメントにあっていると思ったときには,すぐに相談しましょう。
(1) 相談員は,相談者の名誉,プライバシーを守り,秘密を他に漏らしませんので,安心して相談して下さい。
(2) あなた一人で相談員の所へ行きにくいときには,親しい人に一緒に行ってもらいましょう。
(3) 相談員の所へ行きにくい場合は,匿名や第三者による相談も受け付けます。
(4) 相談員は,相談者が受けた行為がセクシュアル・ハラスメントにあたるかどうかについて相談に応じます。必要な場合には,カウンセラーや弁護士などの手配をします。
(5) 相談は,面談の他,手紙,電話,FAX,e-mailなどでも受け付けますので,あなたの最も利用しやすい方法で相談して下さい。(苦情,相談等に関する指針は別紙に示します。)
8.問題解決の手続き
セクシュアル・ハラスメントの被害にあったとき,紛争の解決方法には,防止・対策専門委員会の下で行われる調停(話し合いによる解決)と,苦情申し立て(環境改善の措置)があります。(手続きの詳細は,別紙に示すほか,「福井大学ハラスメント防止・対策専門委員会要項」で定めます。)
調停と苦情申し立てのどちらの方法をとるかは被害者が決めますが,事前に相談員と相談することを原則とします。
9.学長,部局長のとるべき措置
教員,職員,学生等からの苦情申し立て,相談に関わる問題について,防止・対策専門委員会からの報告(報告には環境改善・再発防止措置等に関する参考意見等を含む)があった場合,学長,部局長は以下のような措置をとるものとします。
(1) 学長及び関係部局長は,防止・対策専門委員会の報告を尊重し,問題を迅速かつ適切に措置するよう努めます。審議が必要な場合には直ちに審議を行います。この場合,学生から苦情申立てがあった問題について,加害者が申立人の指導教員や受講科目の担当教員である場合には,部局長が指導担当の交代や授業等の禁止を含めた措置をとるものとします。
(2) 学長は,必要と判断した場合は,関係部局長に環境改善の措置を指示します。
(3) 学長,部局長が措置の内容を決めた場合は,その内容を被害者に伝えるとともに,関係者のプライバシーと人権に配慮しながら,経過と結果を大学内に公表することを原則とします。
(4) 学長,部局長は,再発防止に必要と考えられる場合には,その都度環境改善の措置をとります。
10.セクシュアル・ハラスメントに対してとられる措置
《当事者への措置》
(1) 大学は,被害者に対して心のケアや環境改善の措置を含む可能な限りの救済をしなければなりません。
(2) その言動がセクシュアル・ハラスメントであると認定された人は,必ずセクシュアル・ハラスメントに関し加害者を対象とする研修を受けなければなりません。教員の場合は,研修の成果があったと判断されるまでの間は学生指導及び授業を禁止します。
(3) その言動がセクシュアル・ハラスメントであると認定された人は,学則や法律によって処分・処罰されることがあります。教員及び職員にあっては就業規則に基づき懲戒処分に付されることがあります。
11.不利益取扱の禁止
(1) セクシュアル・ハラスメントに関する苦情申し立て,相談をしたこと,苦情や相談に関わる問題の調査に協力したり証言したこと,その他セクシュアル・ハラスメントに関して正当な対応をした大学の構成員に対して,何人も不利益な取扱いをしてはなりません。また,これらの対応やセクシュアル・ハラスメントについて問題提起をした大学の構成員を,いわゆる「トラブル・メーカー」と見てはなりません。
(2) セクシュアル・ハラスメントに関する苦情を申し立てられた人や相談をされた人は,そのことをもって苦情を申し立てた人や相談をした人に報復してはなりません。もし,報復がなされた場合には,大学として必要な措置をとります。
12.セクシュアル・ハラスメントの防止のために
防止・対策専門委員会は,福井大学においてセクシュアル・ハラスメントが発生しないようにするために,あるいは再発しないようにするために,次のような活動をします。
(1) 啓発のためのパンフレットやポスターなどを作成します。
(2) 大学構成員に対する講演会,研修などを通して,セクシュアル・ハラスメントに対する理解を深めてもらうよう努めます。
(3) その言動がセクシュアル・ハラスメントであると認定された人に対して研修を行います。
(4) 必要な場合には意識調査や実態調査を行い,結果を公表します。
(5) 毎年度ごとに,セクシュアル・ハラスメントに関する苦情や相談の概要を公表します。公表にあたっては,被害者の人権を最優先させるとともに,関係者のプライバシーを侵害しないよう配慮します。
13.指針の見直し
このセクシュアル・ハラスメントの防止・対策に関する指針については,防止・対策専門委員会の責任において,2年を越えない期間毎に実態と照らし合わせた見直しを行い,また必要な改訂を行うものとします。ただし,それ以前に見直しの必要が生じた場合は,必要に応じて見直し・改訂をすることができるものとします。
福井大学構成員は誰でも,防止・対策専門委員会に対して見直し・改訂を提案することができます。
 
別 紙 (指針の付属文書)
3項関係 セクシュアル・ハラスメントになり得る言動の例
「相手が望まない性的な言動」がセクシュアル・ハラスメントになるため,どこからがセクシュアル・ハラスメントになり,どこまでがセクシュアル・ハラスメントにならないかという基準は存在しません。当人に悪意がなくても,親愛の情のつもりでも,「相手が望まない性的な言動」であればセクシュアル・ハラスメントになります。
セクシュアル・ハラスメントになる可能性のある「相手が望まない性的な言動」の例としては,以下のようなものが考えられます。
1.【対価型・地位利用型セクシュアル・ハラスメント】
性的な言動に対する相手方の対応によって,その相手方に研究,教育,勉学,課外活動,就労などに関して不利益または利益を与えることを対価型・地位利用型セクシュアル・ハラスメントと言います。それには次のようなものがあります。
(1) 個人的な性的要求への拒否または服従を,教育,研究上の成績評価などに反映させること
(2) 個人的な性的要求への拒否または服従を,人事や勤務条件などの業務指揮に反映させること
(3) 個人的な性的要求への拒否または服従を,大学の業務として行うサービスの提供に反映させること
(4) 教育,研究上の成績評価など,人事や勤務条件などの業務指揮,あるいは大学の業務として行うサービスの提供に反映させることを条件に,性的働きかけをすること
(5) 相手への性的な関心の表現を,業務遂行に入れること
2.【環境型セクシュアル・ハラスメント】
相手方の意に反する性的な言動によって,その相手方の研究,教育,勉学,課外活動,就労などの環境を損なうものを,環境型セクシュアル・ハラスメントと言います。それらは次のように分けられます。
(1) 発言型(性的な発言)
○性的関心等に基づくもの
・性的要素を含んだ「きわどい冗談」やからかい
・性的な風評・噂を流すこと
○性差別の意識に基づくもの(ジェンダー・ハラスメントと言われるもの)
・「女は学問をしなくてよい」「女には仕事を任せられない」「男のくせに根性がない」等と発言すること
なお,この発言には手紙,電話,FAX,e-mail等によるものも含まれます。
(2) 視覚型(視覚に訴える性的なもの)
・ ヌードポスター,ヌード写真,水着や下着姿(イラストも含む)等を掲示・回覧すること
(3) 動作型(性的な行動)
○性的関心等に基づくもの
・不必要な個人指導を行うこと
・性的行為を強要すること
○性差別の意識に基づくもの(ジェンダー・ハラスメントと言われるもの)
・女性であるというだけの理由で,お茶くみ,掃除,私用等を強要すること
・女性であるというだけの理由で,学業成績,仕事や研究上の実績を低く評価すること
(4) 身体接触型
・身体に不必要に接触すること
以上の項目はセクシュアル・ハラスメントの例示であって,これら以外は何をしてもよいというものではありません。
大事なことは,相手の気持ちや人格を日頃から尊重するよう心がけることです。
なお,上記中のジェンダー・ハラスメントとは,性別役割分担意識や性的差別意識に基づいて行われる「いやがらせ」です。これには日本の歴史的な習慣からくるものが多く,加害者に加害者意識がまったくないか,ほとんどないのが特徴です。
4項関係  研修,啓発の具体化の例
福井大学では,セクシュアル・ハラスメント防止のために,防止・対策専門委員会が中心となって次のような研修や啓発事業を行います。
(1) 新入生向けのガイダンスや「大学教育入門セミナー」等において,指針の趣旨についての講義を行う。
(2) 新任や転任してきた教員及び職員に対しても,適宜,研修を行う。
(3) 防止・対策専門委員会委員及び相談員については,セクシュアル・ハラスメントに関する相当程度の知識を持ち,個々の事例に応じて適切な対応をとることが必要となるので,定期的に専門的な研修(学外の専門家によるものを含む)を受けるものとする。
(4) 指針及び関連の要項を学生便覧に掲載するだけでなく,パンフレットやリーフレットにして,全構成員に配布すると同時に,啓発ポスターを学内に掲示する。
(5) 必要に応じて講演会を開催する。
7項,8項関係  苦情,相談,問題解決の手続き等に関する指針
(1) 相談員が,教員,職員,学生等からの苦情申し出や相談に応じます。
希望する相談員に,部局を越えて直接申し込むことができます。
なお,相談員の所属,氏名,連絡先等については,防止・対策専門委員会が定めた方法により学内に公表します。
(2) セクシュアル・ハラスメントの被害にあったとき,紛争の解決方法には,調停(話し合いによる解決)と,苦情申し立て(環境改善の措置)があり,防止・対策専門委員会に置かれる「調査・調停専門部会」が公正中立の立場からその任にあたります。そのため,同一事案について,調査・調停専門部会員は,相談員以外の者の中から選任するものとします。解決法として調停と苦情申し立てのどちらをとるかは被害者が決めますが,事前に相談員と相談するのを原則とします。
また,調停あるいは苦情申し立ての訴えが直接,防止・対策専門委員会にあった場合は,早急に相談員を斡旋するものとします。
(3) 調停および苦情申し立てがなされた後においても,そのセクシュアル・ハラスメントの疑いをかけられている行為が継続しており,かつ緊急性があると調査・調停専門部会員が認めた場合,防止・対策専門委員会はその行為をやめるよう当事者に勧告できます。
(4) 苦情の申し出や相談には付添人を同席させることができます。
(5) 調停や苦情申し立て手続きの過程で,加害者とされる者から「同意を得た」旨の抗弁があっても,それでもって直ちにセクシュアル・ハラスメントがなかったことにはなりません。また,「同意を得た」旨を証明する責任は加害者とされる者に負わせるものとします。
(6) 調停や苦情申し立て手続きの過程で,被害者を抑圧したり被害事実の揉み消しが行われてはなりません。手続きの過程に不服がある場合,申立人は当該担当者の交替を請求したり,手続きの打ち切りを請求することができます。
(7) 調停や苦情申し立ては,被害者本人の他,被害者が学生等の場合,その保護者が行うこともできます。